MoveNext

(PWS4 IIS4 IIS5)
MoveNext — 指定の Recordset オブジェクトの次のレコードに移動して、そのレコードをカレント レコードにします。

構文

recordset.MoveNext

パラメータ

recordset
Recordset オブジェクを指定します。

説明

MoveNext メソッドは、カレント レコードの位置を 1 レコード前方 (Recordset の終端方向) に移動します。カレントレコードが最後のレコードの場合に MoveNext メソッドを呼び出すと、カレント レコードが Recordset の最後のレコードの後に設定され、EOF が True になります。EOF プロパティが既に True の場合、前方へ移動しようとすると、エラーが発生します。

フィルタまたはソートが実行された Recordset でカレントレコードのデータを変更すると、その位置も変更されることがあります。その場合、MoveNext メソッドは正常に動作しますが、その位置が、元の位置からではなく、変更後の位置から 1 レコード先に移動されることに注意する必要があります。たとえば、カレント レコードのデータを、ソートされた Recordset の最後に移動するように変更した場合、MoveNext を呼び出すと、カレント レコードは Recordset の最後のレコードの後 (EOF = True) に設定されることになります。


MoveLast

(PWS4 IIS4 IIS5)
MoveLast — 指定の Recordset オブジェクトの最後のレコードに移動して、そのレコードをカレント レコードにします。

構文

recordset.MoveLast

パラメータ

recordset
Recordset オブジェクを指定します。

説明

MoveLast メソッドは、カレント レコードの位置を Recordset の最後のレコードに移動します。この場合、Recordset オブジェクトがブックマークまたは後方スクロールタイプのカーソルをサポートしている必要があります。サポートしていない場合にこのメソッドを実行すると、エラーが発生します。


MoveFirst

(PWS4 IIS4 IIS5)
MoveFirst — 指定の Recordset オブジェクトの最初のレコードに移動して、そのレコードをカレント レコードにします。

構文

recordset.MoveFirst

パラメータ

recordset
Recordset オブジェクを指定します。

説明

MoveFirst メソッドは、カレント レコードの位置を Recordset の最初のレコードに移動します。

前方スクロールのみ可能な Recordset で両方向スクロールのサポートが必要な場合、CacheSize プロパティを使用してカーソルの後方スクロールをサポートするレコード キャッシュを作成し、Move メソッドを使って移動することができます。キャッシュされたレコードはメモリに読み込まれるため、必要以上のレコードのキャッシュは避けてください。前方スクロールのみ可能な Recordset オブジェクトで MoveFirst メソッドを呼び出すことはできますが、その場合、プロバイダで、Recordset オブジェクトを生成するコマンドが再度実行されることがあります。


Move

(PWS4 IIS4 IIS5)
Move — Recordset オブジェクトでカレント レコードの位置を移動します。

構文

recordset.Move NumRecords, Start

パラメータ

recordset
Recordset オブジェクを指定します。
NumRecords
カレント レコードの位置を移動するレコード数を指定する、符号付きの長整数型 (Long) の式を指定します。
Start
省略可能です。ブックマークとして評価される文字列型 (String) またはバリアント型 (Variant) の値を指定します。BookmarkEnum 値を使用することもできます。

説明

Move メソッドは、すべての Recordset オブジェクトでサポートされています。

NumRecords 引数が 0 よりも大きい場合、カレント レコードの位置は前方、つまり、Recordset の終端方向に移動します。NumRecords 引数が 0 よりも小さい場合、カレント レコードの位置は後方、つまり、Recordset の始端方向に移動します。

Move メソッドを呼び出してカレント レコードの位置を先頭レコードの前に移動しようとした場合、カレントレコードがレコードセットの先頭レコードの前の位置に設定され、BOF が True になります。BOF プロパティが既に True の場合、後方へ移動しようとすると、エラーが発生します。

Move メソッドを呼び出してカレントレコードの位置を最後のレコードの後に移動しようとした場合、カレント レコードがレコードセットの最後のレコードの後ろに設定され、EOF が True になります。EOF プロパティが既に True の場合、前方へ移動しようとすると、エラーが発生します。

空の Recordset オブジェクトから Move メソッドを呼び出すと、エラーが発生します。

Start 引数を指定した場合、Recordset オブジェクトではブックマークがサポートされていると見なされ、このブックマークを持つレコードが移動の基準となります。Start 引数を指定しない場合は、カレント レコードが移動の基準となります。

CacheSize プロパティを使用してプロバイダからのレコードをローカルにキャッシュしている場合、NumRecords 引数を渡したことによってカレントレコードの位置が現在キャッシュされているレコード グループの範囲外に移動されると、移動先のレコードから始まる新しいレコードグループが強制的に取り込まれます。新しく取り込まれるグループのサイズは CacheSize プロパティによって決まり、移動先のレコードが最初に取得されるレコードになります。

Recordset オブジェクトが前方スクロールのみ可能な場合でも、移動先が、現在キャッシュされているレコード セットの範囲内であれば、0 より小さい値を NumRecords 引数に指定することができます。Move メソッドを呼び出して、カレントレコードの位置を、キャッシュされている最初のレコードより前のレコードに移動しようとした場合は、エラーが発生します。このように、前方スクロールのみをサポートするプロバイダで、完全スクロールをサポートするレコードキャッシュを使用することができます。キャッシュされたレコードはメモリに読み込まれるため、必要以上のレコードのキャッシュは避けてください。前方スクロールのみ可能な Recordset オブジェクトでも、この方法で後方への移動を実行できますが、前方スクロールのみ可能な Recordset オブジェクトで MovePrevious メソッドを呼び出すと、エラーが発生します。

注意 前方スクロールのみ可能な Recordset で後方への移動がサポートされているかどうかは、プロバイダによります。カレント レコードが Recordset の最後のレコードの後ろにある場合、後方への Move を実行しても現在の位置が正しく示されないことがあります。


GetString

(PWS4 IIS4 IIS5)
GetString — Recordset を文字列として返します。

構文

recordset.GetString(StringFormat, NumRows, ColumnDelimiter, RowDelimiter, NullExpr)

パラメータ

recordset
Recordset オブジェクを指定します。
StringFormat
Recordset を文字列に変換する方法を示す StringFormatEnum 値を指定します。RowDelimiter、ColumnDelimiter、および NullExpr の各パラメータは、StringFormat に adClipString を指定した場合にのみ使用できます。
NumRows
省略可能です。Recordset から変換する行数を指定します。NumRows を指定しない場合、または Recordset の行数の合計より大きい値を指定した場合は、Recordset のすべての行が変換されます。
ColumnDelimiter
省略可能です。列の区切りに使う区切り文字を指定します。指定しなければ、タブが使用されます。
RowDelimiter
省略可能です。行の区切りに使う区切り文字を指定します。指定しなければ、復帰改行が使用されます。
NullExpr
省略可能です。Null 値に入れる式を指定します。指定しなければ、空文字列が使用されます。

戻り値

Recordset をバリアント型 (Variant) 変数 (BSTR) の文字列として返します。

説明

スキーマ データではなく、行のデータが文字列に保存されます。したがって、この文字列を使って Recordset を開くことはできません。

このメソッドは RDO の GetClipString メソッドに相当します。


GetRows

(PWS4 IIS4 IIS5)
GetRows — Recordset オブジェクトの複数のレコードを配列に取り込みます。

構文

recordset.GetRows( Rows, Start, Fields )

パラメータ

recordset
Recordset オブジェクを指定します。
Rows
省略可能です。取得するレコード数を示す GetRowsOptionEnum 値を指定します。既定値は adGetRowsRest です。
Start
省略可能です。GetRows 操作を開始するレコードのブックマークを評価する文字列型 (String) またはバリアント型 (Variant) の値を指定します。BookmarkEnum 値を使用することもできます。
Fields
省略可能です。単一のフィールド名または位置を表すバリアント型 (Variant) の値、あるいは複数のフィールド名または位置を表す値の並びをバリアント型 (Variant) の配列として指定します。指定したフィールドのデータのみが返されます。

戻り値

バリアント型 (Variant) の二次元配列の値を返します。

説明

GetRows メソッドでは、Recordset のレコードを二次元配列にコピーします。最初の添え字でフィールドを指定し、2 番目でレコード番号を指定します。GetRows メソッドからデータが返されると、変数 array は自動的に正しいサイズに調整されます。

Rows 引数の値を指定しない場合は、Recordset オブジェクトのすべてのレコードが取り込まれます。利用可能なレコード数よりも大きい値を指定した場合は、利用可能なレコード数のみが返されます。

ブックマークをサポートする Recordset オブジェクトの場合、Start 引数にレコードの Bookmark プロパティの値を指定すると、GetRows メソッドでデータの取得を開始するレコードを指定できます。

GetRows メソッドで返すフィールドを限定する場合は、Fields 引数に、単一のフィールド名または番号、あるいは、複数のフィールド名または番号の配列を指定します。

GetRows メソッドを呼び出すと、まだ読み込まれていない次のレコードがカレント レコードになります。レコードがそれ以上存在しない場合は、EOF プロパティが True に設定されます。


Find

(PWS4 IIS4 IIS5)
Find — Recordset から、指定した条件を満たす行を検索します。必要に応じて、検索の方向、開始行、および開始行からのオフセットを指定できます。条件が一致すれば、カレント行の位置は、検出されたレコードに設定されます。条件を満たす行がない場合は、カレント行の位置は Recordset の最後 (または最初) に設定されます。

構文

object.Find (Criteria, SkipRows, SearchDirection, Start)

パラメータ

object
Recordset オブジェクを指定します。
Criteria
検索に使用する列の名前、比較演算子、および値を指定するステートメントを含む文字列型 (String) の値を指定します。
SkipRows
省略可能です。検索を開始する、カレント行または Start ブックマークからの行のオフセットを指定する長整数型 (Long) の値を指定します。既定値は 0 です。既定では、カレント行から検索が開始されます。
SearchDirection
省略可能です。検索方向に向かって、カレント行または使用可能な次の行のいずれから検索を開始するかを指定する SearchDirectionEnum 値を指定します。検索に成功しなかった場合、この値に adSearchForward が指定されていると、Recordset の終わりで停止します。また、検索に成功しなかった場合、この値に adSearchBackward が指定されていると、Recordset の先頭で停止します。
Start
省略可能です。検索の開始位置として使用するバリアント型 (Variant) のブックマークを指定します。

説明

criteria には、単一列の名前のみを指定できます。このメソッドでは、複数列の検索はサポートしていません。

Criteria の比較演算子には、”>” (より大きい)、”<" (より小さい)、"=" (等しい)、">=” (以上)、”<=" (以下)、"<>” (等しくない)、または “like” (パターン マッチング) を使用できます。

Criteria の値には、文字列、浮動小数点数、または日付を使用できます。文字列の値は単一引用符または “#” (シャープ記号) で囲みます。たとえば、「state = ‘WA’」または「state = #WA#」のように指定します。日付の値は “#” (シャープ記号) で囲みます。たとえば、「start_date > #7/22/97#」のように指定します。

比較演算子に “like” を使用する場合、文字列値にアスタリスク (*) を含めると、1 つまたは複数の文字または部分文字列を検索することができます。たとえば、「state like ‘M*’」と指定すると、Maine や、Massachusetts が該当します。また、文字列の先頭と末尾にアスタリスクを使用して、その間に含まれる部分文字列を検索することもできます。たとえば、「state like ‘*as*’」と指定すると、Alaska、Arkansas、および Massachusetts が該当します。

前の例のように、アスタリスクは、検索文字列の末尾のみに使用するか、または検索文字列の先頭と末尾の両方で使用することができます。ただし、先頭のみのワイルドカード (‘*str’) または文字列中のワイルドカード (‘s*r’) としてアスタリスクを使用することはできません。この場合は、エラーが発生します。

注意 Find メソッドを呼び出す前にカレント行の位置が設定されていない場合は、エラーが発生します。Find メソッドを呼び出す前に、MoveFirst などの、行の位置を設定するメソッドを呼び出す必要があります。


CompareBookmarks

(PWS4 IIS4 IIS5)
CompareBookmarks — 2 つのブックマークを比較して、相対的な位置を示す値を返します。

構文

result = recordset.CompareBookmarks(Bookmark1, Bookmark2)

パラメータ

Bookmark1
最初の行のブックマークを指定します。
Bookmark2
2 番目の行のブックマークを指定します。

戻り値

ブックマークで表される 2 つのレコードの行位置の相対的な関係を示す CompareEnum 値を返します。

説明

ブックマークは、同じ Recordset オブジェクト、または Recordset オブジェクトとそのクローンに適用する必要があります。異なる Recordset オブジェクトのブックマークを比較した場合、同じソースまたはコマンドで作成されたブックマークであっても、信頼できる結果は得られません。また、 Recordset オブジェクトの基になるプロバイダがブックマークの比較をサポートしていない場合も同様です。

ブックマークは、Recordset オブジェクトの行を一意に識別します。ブックマークを取得するには、カレント行の Bookmark プロパティを使います。

ブックマークのデータ型はプロバイダ固有であるため、データ型はバリアント型で表されます。たとえば、SQL Server のブックマークは、DBTYPE_R8 型 (倍精度浮動小数点数型) です。ADO では、このデータ型は、サブタイプが倍精度浮動小数点型のバリアント型として表されます。

ブックマークを比較するときには、 ADO はどんな種類の強制試行も行いません。値は、そのまま比較が行われるプロバイダに渡されます。CompareBookmarks メソッドに渡されるブックマークに、異なる型の変数が格納されている場合、「引数が間違った型、許容範囲外、または競合しています。」という型不一致エラーが発生します。

無効なブックマークや、不正に作成されたブックマークは、エラーの原因になります。


Delete

(PWS4 IIS4 IIS5)
Delete — カレント レコードまたはレコードのグループを削除します。

構文

recordset.Delete AffectRecords

パラメータ

AffectRecords
Delete メソッドで操作するレコード数を決める AffectEnum 値を指定します。既定値は adAffectCurrent です。

戻り値

値を返しません。

説明

Delete メソッドを使うと、Recordset オブジェクトのカレントレコードまたはレコードのグループは削除の対象としてマークされます。レコードを削除できない Recordset オブジェクトの場合はエラーが発生します。即時更新モードでは、削除は直ちにデータベースに反映されます。レコードの削除に失敗した場合 (データベースの整合性違反などのため)、レコードは Update の呼び出し後も編集モードのままになります。そのため、カレントレコードから移動する (たとえば、Close、Move、または NextRecordset を使用する) 前に、CancelUpdate で更新をキャンセルする必要があります。

バッチ更新モードでは、キャッシュ内の削除されるレコードにマークされますが、実際の削除は UpdateBatch メソッドが呼び出されるまで行われません。(削除されたレコードを参照するには、Filter プロパティを使用します。)

削除されたレコードからフィールド値を取得しようとすると、エラーが発生します。カレントレコードを削除した後は、別のレコードに移動するまで、削除されたレコードがカレントレコードになります。削除されたレコードから移動した後は、そのレコードにアクセスできなくなります。

トランザクションで削除レコードをネストしている場合、RollbackTrans メソッドを使って削除レコードを復活することができます。バッチ更新モードでは、CancelBatch を使って実行されていない削除をキャンセルすることができます。

基になるデータとの競合 (たとえば、ほかのユーザーによってレコードが既に削除されている場合など) が原因でレコードの削除に失敗した場合、プロバイダから Errors コレクションに警告が返されますが、プログラムの実行は停止されません。要求したすべてのレコードで競合が発生した場合にのみ、実行時エラーが発生します。

Unique Table ダイナミック プロパティが設定されており、Recordset が複数のテーブルに対する JOIN 操作の実行結果である場合、Delete メソッドは、Unique Table プロパティで指定されたテーブルからのみ行を削除できます。


Close

(PWS4 IIS4 IIS5)
Close — 開いているオブジェクトおよびそれに従属するすべてのオブジェクトを閉じます。

構文

object.Close

パラメータ

object
Recordset オブジェクを指定します。

戻り値

値を返しません。

説明

Close メソッドを使って、Connection オブジェクト、Record オブジェクト、Recordset オブジェクト、または Stream オブジェクトを閉じ、関連するすべてのシステムリソースを解放します。オブジェクトを閉じてもメモリからは削除されず、プロパティ設定を変更してもう一度開くことができます。メモリからオブジェクトを完全に削除するには、オブジェクトを閉じて、オブジェクト変数を Nothing (Visual Basic の場合) に設定します。

Close メソッドを使って Recordset オブジェクト、Record オブジェクト、または Stream オブジェクトを閉じると、関連するデータと、そのデータに対するこのオブジェクトからの排他アクセスがすべて解放されます。その後で Open メソッドを呼び出して、同じ属性または更新された属性を持つオブジェクトを再度開くことができます。

Recordset オブジェクトが閉じているときに、開いているカーソルを必要とするメソッドを呼び出すと、エラーが発生します。

即時更新モードで編集しているときに Close メソッドを呼び出すと、エラーが発生します。この場合は、先に Update メソッドまたは CancelUpdate メソッドを呼び出してください。バッチ更新モードの実行中に Recordset オブジェクトを閉じると、最後に UpdateBatch メソッドを実行した後に行われた変更がすべて失われます。

Clone メソッドを使って開いている Recordset オブジェクトのコピーを作成した場合、元のオブジェクトまたはクローンを閉じてもほかのコピーには影響しません。